ペイントで伝統を遊ぶ、こけしリデザイン体験
投稿日: 投稿者:長嶋晶

東北地方の山あいの温泉地で、職人たちの手によって一本一本、丁寧に作られてきた「こけし」。日本の伝統工芸のひとつとして、国内外で多くの人々に親しまれているこの木製人形には、温もりと美しさ、そして長い歴史が詰まっています。
uragamiの合弁会社である弊社(株)浜屋では、年間約1万キロの伝統こけしを仕入れ、内4千キロを主に海外へ輸出しています。欧米を中心に「Wabi-Sabi」の感性として評価され、インテリアやアート作品として人気を集めています。
しかしながら、塗料のにじみやムラ、汚れがあるこけしは、輸出先ではなかなか好まれません。製品としては十分に価値があるのに、ほんの少しの見た目の差で評価が下がってしまう。とても残念なことでした。
そこで私たちは、そんなこけしたちに新たな命を吹き込むべく、
「無垢こけしユニペイント・ワークショップ」を開催しました。伝統の技術や歴史を感じながら、創造力と楽しく組み合わせる試みです。
塗料ににじみや汚れのあるこけしを旋盤で丁寧に削り直し、木の風合いが愛おしい「無垢こけし」を用意しました。木肌があらわになったこけしは、そのままでもモダンなアート作品の様です。ワークショップでは、水彩絵の具やクレヨンで自由に絵付けをしていただきます。
こけしに触れるのはもちろん、見るのも初めて、という方も。お子様のみならず大人の方にも楽しんで頂き、見守るお父さん・お母さんも皆さん一様に「これは楽しい!夢中になる!」とキラキラしています。
『親子で並んで絵の具を使い、アートを楽しむ』
忙しい現代ではなかなか難しいですよね。青空の下、ゆったりとした心で親しい人と並んで同じことを楽しむ姿も、それぞれの個性と発想がこけしに吹き込まれていく様子も、とても感動的でした。
そうして出来上がった作品は、今日の思い出がギュッと詰まった、世界に一つだけのアートです。インテリアの一部となって、見るたびにその景色を脳内で再生してくれる特別なスイッチとなるでしょう。
伝統をつなぐ、そして広げる
大量消費・廃棄が日常的な世の中で、「伝統を守ること」と同時に「新たな価値を創造して繋いでいくこと」を楽しく体感出来たら。持続可能な循環型社会はそう難しいことじゃない気がします。
今後も、皆さんと笑顔に埋もれて幸せな時間を共有できるよう、楽しい体験を提案していきたいと思います。