引き立てるということ

日本中の古い油絵が集まってきているのでは、と思うほど、
日本各地の支店からたくさんの入荷があります。

輸出入を柱とする弊社では、その一部は海外のバイヤーへ販売され、海の向こうへ渡っていきます。

国内では今、インテリアとして動きが大きいのは抽象画。そんな印象があります。

私たちは油絵において、そのフレームに焦点を当て、‟アンティーク額縁″としてイベントなどで販売を行ってきました。
量産品や規格品にはない、ぜいたくなデザインや素材感のものもあり、個体差の魅力や、ひとつとして同じもののない存在に価値を感じたりもします。

古いものは特に、その背景にある物語に惹かれる方も多いですよね。私もその一人です。

油絵の額縁にはガラスカバーが付いていることもありますが、持ち運びの安全面を考え、外してフレームのみの状態で販売してきました。

これらは個体差が大きく、ヴィンテージ品であるため、オンラインへの掲載は簡単ではありません。
それでも、海外へ渡ってしまう、処分されてしまうには惜しいものばかりで、少しずつ掲載を始めています。

そんな中、先日あるお客様からお問い合わせをいただきました。
「内寸を教えていただけますか」と。

担当者が計測してお返事したところ、ご希望のサイズとはわずかに差があったようで、「検討し直します」とのお返事でした。

 

入社して間もない秋、町田市のポップアップショップに3か月常駐していたことがあります。
アンティーク家具や雑貨のほか、イギリスの古い絵画、日本のリトグラフ、抽象画、そしてこの額縁も販売していました。

「描いた絵を入れたいのだけど、これはF?何号?」

そう聞かれて初めて、キャンバスや額にはいくつものサイズがあり、たくさんの号数で管理されていることを知りました。

調べてみて、正直に思ったのは、
多すぎる。これは覚えられない(白目)。ということ。

実際に絵を飾る方がどこのサイズを知りたいのかは、会話の中でしか分からない部分も多く、仮縁や入子、マット紙といった言葉も、そのときに覚えました。

ご自身で絵を描かれる方が、大切な作品のフレームとして、ヴィンテージの額を選んでくださる。
インテリアのひとつとして軽く捉えていた私は、そのことに驚き、見慣れてしまっていた大量の額縁の価値を見直すきっかけにもなりました。

 

問い合わせのお客様は、京都の方でした。
やはり私たちの額を選びたいと再度ご連絡を下さり再計測。サイズが合うことが分かりました。

遠く離れた京都から、埼玉の小さなオンラインショップに掲載された額に偶然たどり着いてくれたこと。
それを出会いの物だからと、選んで下さったこと。
そのお気持ちに感謝し、あたたかいメッセージに励まされました。

きっと素敵な展示会だったのだろうと、想像しています。
届いた文面から伝わるお人柄のように。


こうした経験から、
額縁のサイズや仕様についても、できるだけ分かりやすくお伝えできるよう努め、
ガラス付きの物も掲載できるよう
少しずつ整えていきます。