言葉じゃないものに触れたい
投稿日: 投稿者:長嶋晶

疲れたな、と思うとき、ありませんか。
SNSを開く元気もなく、Netflixを観る気力もない。
体力的にも、気持ちの余裕も、どちらも足りない。
ごくごくたまにやってきます。
そんなとき、よくやるのが掃除です。
家でできるし、夢中になれるし、誰とも話さなくていい。
何より、やった分だけ成果が目に見える。
少しだけ褒められたような気分になって、案外悪くありません。
そんな体力もない時は、花を飾るのもいい。
視覚的に美しいものに触れているうちに、
こわばっていた気持ちが、少しずつほどけていきます。
こんなときに求めているのは、
言葉じゃないものなのかもしれません。
SNSも、映画も、YouTubeも、
どこもかしこも言葉であふれている。
話すことがあまり得意ではない私は、
気づくと頭の中で、言葉がぐるぐるしています。
だからこそ、ただ静かに、美しいものに触れたい。
美術館が身近にある人は、
きっとそんなふうに美術館を使っているのかもしれません。
白い壁に、一輪だけ花を飾る。
気に入った花瓶を探してみる。
子どにもらったお絵描きを、画鋲で留めてみる。
映画の半券を、フレームに入れてみる。
幸せな瞬間を、
引き出しや手帳にしまう代わりに、インテリアにしてみる。
色や、形や、質感。
自分が「好き」だと思えるものを飾ってみると、
空間は急に、自分の味方になる気がします。
そうすると、ざわざわした気分の日でも、安心して家に帰ることができる。
明日はまた、明日なりに頑張ろうと思える。
有名であることや、高価であることよりも、
ただ、好きな絵を飾れたら。
それはすごく、贅沢な事なのかもしれません。

