触りたくなる質感
投稿日: 投稿者:長嶋晶

絵画って、自分を問われているような気がする。
そんな感覚、ありませんか?
有名だったり高価だったり、世の中で広く評価されている作品を見て、「??」となった経験。私はあります。
美術の世界で「分からない」と感じたとき、作品ではなく、自分の知識不足を疑ってしまうことがあるように思います。
有名なものを分かっていない私。
高いのだから、きっとすごいものなんだろうな。その価値が分からない私。
それを少し恥ずかしく思ったり、難しく感じたりして、アートから離れてしまうこともあるんじゃないかと。
でも本当は、「好き」の感覚はもっと自由でいいと思うのです。
自分の感性に似合うか、似合わないか。
心地よいか、そうでないか。
それだけ。
額の素材感や色合い、マット紙の余白の大きさ。この絵はどうだこうだと言葉にする前の、インスピレーションで選ぶ。それくらいシンプルな感覚がいいなと思っています。
毎月たくさんの古い絵画に触れる機会があります。
その中で私が選ぶものは、静かな色気があったり、触りたくなるような質感があったり。
少し崩れた形や、流れるような曲線。
整いすぎていない、ほんの少しの違和感。
それだけで完成し過ぎず、家具や空間、使う人の生活を受け入れてくれる。
選ぶ人の感性にお任せできる余白があるような作品。
美術市場での評価とはまた別のところにある、その作品ならではの個性や美しさを取りこぼさないように。次に迎えてくれる方のことを思い描きながら選んでいます。
普段の生活のそばに置きたいと思ってもらえる作品を、少しずつ揃えていきますね。
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