シュタイフとソーセージ 

息をのむ。
そんな経験は初めてでした。
買付でドイツを訪れて心を奪われたのは、建造物の美しさ。石材の息使いや対称的なバランス、華美過ぎないけれど陰影の美しさが際立つ装飾など、圧倒的なスケールで胸に迫る迫力と風格に、感激しきりでした。

町のあちこちに大きな樹々が共存し、緑が建物を包み込むように生きています。
その生命力の強さからも、ドイツという国の歴史と誇りを感じたのです。

ドイツは「連邦制」の国。
だからこそ、州や地域によって建物の傾向や街並みの表情がまったく異なるんですね。
南と北、東と西で、まるで別の国を旅しているような感覚に出会えるのも、この国の魅力のひとつではないかと思います。

特に印象的だったのは、ツェルティンゲン=ラハティグ(Zeltingen-Rachtig) 周辺。
モーゼル河がゆったりと流れ、360度どこを見ても大自然の丘に囲まれています。
青い空とグリーンの丘に、白い壁の家々が建ち並ぶ景色。
太陽に照らされた水面が建物を映し出すその光景は幻想的で、夢うつつのような不思議な感覚になりました。

6月下旬、そんなモーゼル河岸近くの小さなマーケットに立ち寄りました。
会場に隣接する公園では、日光浴を楽しむ家族の姿が。マーケットの規模も決して大きくなく、まるでピクニックでもしているような出店者の「ゆるさ」が心地良い。
この国の人たちが暮らしの中で何を大切にしているのか、
それを垣間見たような気がしました。

マーケットで出会った古い家具や道具たちは、どれもそんな暮らしの中で大事にされてきたもの。
傷やペイントのひとつ一つにエピソードがあり、
かつての持ち主の愛情を想像できるアンティークの醍醐味に、改めて惹かれました。

普段は看護師として働くマダムから譲ってもらった古いリネン、
メールもネットも英語もNGで、おとなしいご主人とは対照的に、ドイツ語でグイグイくるアンティーク屋のマダムから譲ってもらった折り畳みテーブル、
そして「買えば買うほど投げやりなほど安くしてくれる」陽気なおじさん。
『その人』の魅力あってこそ輝きを増したお買い物ばかりでした。

そんな旅の成果が、11月にコンテナで日本に到着予定 です。
イベント、オンラインショップでの販売、
そして今回もまた、卸売り(BtoB) にも対応できればと思っています。

ドイツのアンティークが纏う、静かで温かな時間をそのまま届けられたら嬉しいです。


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